カラーストーン物語
ファミリーヒストリー
鉱山のあるラトゥナプラはスリランカ中央高地の南西側に位置し、同国最大の都市コロンボから南東101kmの場所にあります。ラトゥナプラとはシンハラ語で「宝石の都市」を意味し、古代より伝統的にサファイア、ルビー等の宝石の採掘が行われてきました。

1930年、創始者の初代夫婦、スリランカ人アルフレッドとイギリス人スーザン=アレキサンドリアーナ(旧姓ムナシンガー)がスリランカ・ラトゥナプラにて自社鉱山・宝石採掘事業を開始しました。イギリス人の祖母、スーザン=アレキサンドリアーナが、まず最初に自社鉱山・宝石採掘事業に着手し、当時、造船業を営んでいたスリランカ人の祖父アルフレッドも妻の事業に加わりました。

敗戦国日本は、戦後、分割占領の危機にさらされており、1951年、「サンフランシスコ講和会議」では、世界51カ国の代表らにより、まさに日本の運命を左右する国際審議が行われていました。スリランカのジャヤワルダナ代表は、仏陀の「憎悪は憎悪によって消え去るものではなく、ただ愛によってのみ消え去るものである」を引用し、「日本の占領を解いて、独立を回復させるべき」であるとし「日本に対する賠償請求権を放棄する」と述べました。ジャヤワルダナの演説が終わると、「賞賛の声の嵐で会場の窓のガラスが割れるほどであった」と『サンフランシスコ・ニュース』は、後日、報じました。国際審議の結果、ソ連、ポーランド、チェコスロバキアを除く各国が講和条約に署名し、1952年4月28日、日本はついに独立を回復したのでした。

日本を分割占領の危機から救ったジャヤワルダナ代表、のちのスリランカ第2代大統領ジュニウス=リチャード・ジャヤワルダナの青年時代に家庭教師として英語教育を担当したのが、3代目ラッド社長の母方の大叔父ドンナポリアン・ムナシンガーでした。
トレーサビリティ
スリランカ・ラトゥナプラに11の鉱山を所有しており、すべて自社鉱山産の高品質のバージン天然カラーストーン(非加熱またはココナツ等の天然素材使用のみによる加熱)です。ベリリウム拡散加熱処理などの化学的なトリートメント等は一切行っていません。自社採掘の天然カラーストーンのみを自社管理の元にカット・研磨し、日本に直輸入しているため、非常にクリアなトレーサビリティを保証しており、人造石や二次流通石が混入する心配が全くありません。ダイヤモンド、エメラルド、タンザナイト等を除く、スリランカ産の宝石、半貴石はすべて採掘可能です。
ハイクオリティカッティング
自社鉱山から採掘されるクオリティの高い天然石を自社でダイレクトにカッティングと研磨しています。スリランカ政府公認・宝石鑑定士ならびに米国サンタモニカGIA宝石鑑定士の資格を持つLad代表の豊かな知識と経験を元に、追究心を絶やさず、常により高レベルのカットを目指し、優れたプロポーションのダイヤモンドカットのみならずしっかりとしたメイクの美しい輝きの各種ファンシーカットも自社にて行っています。オーダーベースであらゆるカットに対応可。直径サイズ合わせも±0.10mmのレンジ幅で対応可。
サステナビリティ
地球に優しい、労働者・女性に優しい、労働者家族の子供たちの教育のための経済的支援も継続的に独自に行っています。

地元の女性達にカット・研磨技術を伝授し、自社の研磨機を与え、お母さん達が自宅で子育てをしながら安心して石のカットの仕事を続け、社会参加できる「働くお母さん達に優しい生活環境づくり」に貢献しています。児童労働者の雇用は、もちろん一切行っていません。

環境保護と労働者の安全を確保し、地球に優しく、発掘従業者(男性のみ)に優しく、働くお母さん達に優しいカラーストーンなのです。

持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働き甲斐のある人間らしい仕事)を自主的に推進しています。

サステナビリティ SDGs「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」に貢献。

労働者の子供たちの教育のための経済的支援、学校へ通うための洋服、靴、教科書、ドリル、文房具の購入・供給を必要に応じて随時行い、労働者の家のリフォーム費用も会社負担しています。

土日、満月が休日。
宝石の神への祈り
スリランカは約70%の国民が仏教徒。自社鉱山ではスリランカ語とは言語体系が異なる「鉱山語」が祖父の代から存在し、口語と手サインでの伝承のみで文字は存在しません。

スリランカでは宝石には命が宿ると考えられているため、また、後世の子孫たちに宝石を残していくためにも、大量採掘のためのダイナマイトは一切使用せず、すべて昔ながらの手作業のみで採掘しています。1年中温暖な気候で育ち、十分な甘みとやさしい香りが特長のスリランカ特産のキングココナッツの葉でつくった祭壇に、毎朝、4時に供え物とともに祈りを捧げます。まず、人間と同じように命やDNAが宿ると考えられている「宝石」に祈りを捧げ、次に「宝石の神様」、「空の神様」、「地球の神様」に祈りを捧げてから採掘作業を行います。これらの祈りがなければ、神様から宝石はもらえないと考えられているからです。

昔ながらの伝統的手作業での採掘作業の在り方を重視しているため、電動機械は一切使用せず、すべて手作業のみ。採掘現場でのコミュニケーション手段は、現在でもパイプを使用しています。